日本のレガリア

旅行
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三種の神器というレガリア

日本には三種の神器というレガリアがある。

レガリアとは……

レガリアラテン語: regalia、英語: regalia、リゲイリア)は、王権などを象徴し、それを持つことによって正統な君主であると認めさせる象徴となる物品である。また、王の所有する特権(貨幣鋳造権採掘権など)を指すのにも使用される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%82%A2

まさに、三種の神器。

三種の神器は

  • 八咫鏡
  • 八尺瓊勾玉
  • 天叢雲剣

の三点を指す。

昨年5月1日に行われた皇位継承の儀式である剣璽等承継の儀で話題になったので憶えている方も多いことだろう。ちなみに剣はもちろん天叢雲剣で璽は本来は判子のことを指すのだが、この場合は八尺瓊勾玉のことを指す。八咫鏡は宮中三殿の賢所に保管されているので、継承の儀には登場していなかった。

宮中で保管されている三種の神器、実は、八尺瓊勾玉以外の2つは依代……つまるところ、レプリカだったりする。

というわけで、少し、三種の神器の話を交えつつ、三種の神器を巡る旅的な話をしてみようかと思う。

【皇居】八尺瓊勾玉と2つの依代

まずはじめに、三種の神器は見ることはできない。

所有者?である天皇陛下すら見ることができないそうだ。

なので、実物を観られるわけではないが、伝説のアイテムである三種の神器がある場所でその雰囲気というかオーラ力というかなんというかを浴びようというのがテーマになる。

旅のスタートはもちろん、皇居。

東京駅丸の内側の出口を出たら、東京とは思えないくらい幅の広い道路があるので、そこをまっすぐまっすぐあるけば、そこが皇居だ。

一般開放されている東御苑は桜の時期になると、見物客が多くやってくるので有名だったりする。

東御苑以外にも一般参観という形で事前申し込みで観覧できるエリアがあったりもするそうだ。

宮内庁参観案内:施設情報:皇居
宮内庁オンライン参観案内:宮内庁では、インターネットを利用した参観申込をこちらのホームページ窓口で受け付けております。

八尺瓊勾玉を始めとした三種の神器が収められている皇居は物見遊山で近寄れるエリアからはかなり離れたところにあるので、まったく気配すら感じられないかもしれないが、間違いなく揃い踏みした三種の神器に一番近づける場所である。

伝説の力を感じてみるのも、一興かもしれない。

ちなみに、八尺瓊勾玉はどうやら、依代というものが作られたことがないようなのだ。

源平合戦最後の大戦、壇ノ浦の合戦の際に安徳天皇が三種の神器とともに海へ沈んでいったということになっているのだが、八尺瓊勾玉だけは箱に収められていたこともあり浮いてきて、海を漂っているところを源義経が発見して回収した、という話なのだが……

この時、安徳天皇が抱えて沈んでいった天叢雲剣と八咫鏡は依代だった。ホンモノはこれから出てくる場所に収められていたからだ。だが、八尺瓊勾玉は違う。ホンモノをずっと皇室が管理しているのだ。

そもそも勾玉のはずなのに、璽と呼ばれるのも不思議だ。天皇家の“仁”を象徴する神器は、最も謎の多い神器なのかもしれない。

【熱田神宮】天叢雲剣

東京駅から東海道新幹線、または高速バスに乗り、一路愛知県へ。

愛知県名古屋市熱田区にある熱田神宮には、天叢雲剣のホンモノが収められており、御神体として祀られている。

素戔嗚命すさのおのみことのヤマタノオロチ退治の際に、尾から出てきた大剣がこの天叢雲剣だ。

日本武尊命やまとたけるのみことの東征の際に、駿河国(現静岡県)焼津で火計にあった際に草を薙いで場所を確保し、自分の方からも火をつけることで難を逃れたという逸話から草薙剣の名前でも知られている。

RPGなんかで武器として出てきたりするし、出自や逸話も有名なので、たぶん三種の神器で一番有名な存在かもしれない。

そんな天叢雲剣の実物があるのが熱田神宮だ。

東征を終え、尾張国(現愛知県)で結婚した日本武尊命は、天叢雲剣を妻に預け、近江国(現滋賀県)伊吹山の悪鬼を退治しにでかけるのだが、その際に大蛇から病を受けてしまい、尾張への帰路、大和国(現奈良県)で亡くなってしまう。

夫亡きあと、妻が天叢雲剣を祀る神社を建て、それが今の熱田神宮になっているのだそうな。

由緒もしっかりしている!これは間違いなく実在しているとしか思えない!

そんな熱田神宮、オモシロい特徴がある。

御神鶏が名古屋コーチンなのだ。ふつうは尾長鶏なのだが。さすが名古屋……といったところだろうか?10年近く前に実際に熱田神宮を訪れた際に、とても驚いたのが記憶にある。

【伊勢神宮】八咫鏡

名古屋を後に一路、伊勢へ。

電車なら近鉄で伊勢市駅へ向かうのが一番簡単なんじゃないだろうか?あるいはやはり高速バスか。名古屋まで来てしまっていると七面倒臭いが渥美半島の先端から伊勢湾フェリーなんてのもあるので、それで三重に向かうというのも一興だろう。

そんなこんなで、三重県伊勢市にある伊勢神宮へ。伊勢神宮は内宮と外宮があるが、今回は内宮の話。

八咫鏡は伊勢神宮内宮にご神体として祀られている。お祀りしている主神は天照大神、天孫降臨の際に八咫鏡に魂を吹き込んだ神だ。

伊勢神宮は神社の中の神社、社格をつけることができないから格外みたいな扱いになるような神社だ。神社本庁の本宗(神社の総本山的な認識でイイのだろうか?)として今でも格別な神社なのだ。

実際に行くと分かるが、伊勢神宮は、スゴい。筆舌に尽くしがたい神聖さを感じる空間だ。徹夜で眠気を堪えて運転し続けた直後の参拝だったのに、自然と背筋がシャキッと伸び頭がキリッと冴えるのを感じた。

これは、行ってみないとわからない感覚だと思うが、まず間違いなく、伊勢神宮は神器が祀られている空間だと行けば分かる。

八咫鏡は天照大神と縁の深い神器だ。天照大神が岩戸隠れしてしまった際に、岩戸から引きずり出すために使われた鏡がこの八咫鏡なのだそうだ。

天孫降臨の際に、天照大神は瓊瓊杵命へ三種の神器を授け、八咫鏡を「私だと思って、祀りなさい」と言ったそうで、それを実行するために作られたのが伊勢神宮ということなのだそうだ。大雑把に説明すると。

ちなみに、伊勢神宮にも御神鶏はいる。こちらは正統派な尾長鶏だ。ちなみにこの御神鶏というのも、天照大神の天の岩戸隠れの伝説にちなんだ縁起物として、いろいろな神社で鶏が飼われているのだそうだ。

伊勢参りはやはり人生で一度はしておくべきだと、行ってみてホントに思った、また行きたい。

あとがきのようなもの

三種の神器を巡る旅。

3月に紀伊半島へ旅した際に実行しようとして、頓挫した計画。

主に橿原と明日香が悪い。

いつか、実現したいな。今はそっと耐えるのみだ。

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